IRENG07ワーキンググループ報告
WGD、山本
昨日電話会議が行われた。そこで、先ず、WGDの検討課題について議論した。測定器でのバックグランドのsystematicなstudyの必要性が指摘された。次回、バックグランド検討の現状をまとめることとなった(SLACの丸山?)。それとともに、Belle, Barbarでのバックグランド状況のまとめをM.Sullivanが行う予定である。
QD0の安定性についてのパラメータ(数値)が提示された。以下の数値は、ビーム繰り返し周波数の5Hzでの、2つのQD0間の相対的な位置のRMSである。QD0安定性は100-200nmである。このため、それを支える測定器と床の安定性は、それぞれ、50-100nmと25-50nmである。ただし、これらは時間スケール、ビーム位置制御システム(fast feedback)などの仮定によることが指摘された。
push-pullに要する時間の中には測定器のcalibrationに必要な時間は含まれない。
GLDは鉄製エンドキャップを左右に分離してmuon chamberを挿入する。また、励磁時のendcapの動きを1.8mmにするため、90°ごとに75mm厚の鉄板を電磁力に対する補強として組み込んでいる(これがないと75mm動く)。
(SiDは一体もの、LDCは両方の場合を検討している。)
この補強によってmuon detectionのinefficiencyが生じる。そのphysics impactを評価する人をGLDの中から出すことになった。
SLACにサバチカル中の佐波氏がradiation doseのsimulation結果のGLD, SiD, 4thの場合を示した。
- Q : synchrotron radiationのbackground estimationをworst caseでしなければならないことが強調された。(BelleとBarbarでの経験に基づいて) また、beam dumpを含めた下流のextraction lineからのback-scattered/secondary photonsも計算しなくてはならない。synchrotron radiationでは原子核の特性X線を考慮しなければならない。
- A : background計算に必要なgeometryなどの情報を問い合わせた。SiDでは、14mrの最適化したものはないので20mrのものを用いて行っている。
WGA、佐貫
push-pull schemeに必要な測定器と加速器への要求をリストアップしている。例えば、
- push-pull後の測定器の位置の再現性は1mm程度、
- 実験室床のGMの許容値は25-50nm、
- 実験室のクレーンの容量:compact(20t) or large (400t)
- 地上部のホールの大きさとクレーン容量
- 測定器周りの放射線シールドの方法 (CMSの場合の紹介)
- QD0の冷却用パイプの配管方法
- 測定器周辺の漏れ磁場強度
C : GLDのendcapの鉄板厚は25cmであり、さらに75mm厚の鉄板の補強を施している。これに対して、LDC. SiDのものは10cmであるが、変形の評価はされていない。薄くしている理由の主なものはendcapのハドロンカロリメータの一部として使用していることによる。SiDでは、このendcap部分が、QD0のサポートも行っている。
WGB、土屋
4Kより1.9Kへの熱交換器をできるだけ測定器の近くに設置することが一つのガイドラインになっている。4Kコールドボックスなどの設置場所は不明。B.ParkerのpresentationにL*=3.5m, SiDの場合の"Strawman design"が示されている。
- Q : なぜ、1.9Kが必要か?
- A : 一般的に、超伝導コイルの性能の向上のためである。より小さな直径のコイルなどコンパクトになる。
Example of ILC Final Focus for L*=4.5m & 3.5m、黒田
L*=4,5mのBDS-opticsをL*=3.5mのものにできるのかをSADで評価した。このとき、QF1より上流の磁石配置の変更は行っていない。まず、QD0, QF1, QM11-16の強さを調整し、sextupole magnetsでoff-momentumの補正を行い、最後にsexupole magnetsによるfine-tuningでbeam sizeをdesign値(最少値)にした。SD0, SD4など10%程度の強くなったが、design値を達成することができた。
- Q : 最適化に要する実時間はどれくらいであったか。
- A : 1日程度。(fine-tuningは3回のiteration、収束はしていない)
- Q : fine tuningの程度は?
- A : ビームサイズで、7nmと5nmの差の程度である。
QF1より上流の配置が同じであるpush-pull対応のL*=3.5m, 4m, 4.5mのopticsは、www-project.slac.stanford.edu - /ilc/acceldev/beamdelivery/tmp/lstar/ に置かれている。このL*=3.5mのものからL*=4.5mのものが可能であるかの検討も必要であることが指摘された。上のopticsはcollimation, background studyのためのものでビームサイズは最適化されていない。
また、WGDでは、push-pull後のBDS beam lineのre-commssioningの方法とどれくらいの時間を要するのかの検討の必要性も強調された。違ったL*の2つの測定器の入れ替え時のre-commissioningの検討も必要である。この検討を奥木氏に打診することになった。
Compact GLD、杉本
前回のデザインを改良した。このデザインをWGAで発表する予定である。特に、QD0-QF1を一つのクライオスタットに入れ、測定器の外側でサポートする方法、そして、endcap開閉、内部へのアクセス方法、cooling pipeの配管などが示された。このcompact GLDのL*は4.2mである。ビームライン上の磁場強度は追加コイルによって50ガウス以下にできるが、必要な許容値の検討が必要である。追加コイル無しではIPより10m離れた位置では120G程度である。