IRENG07ワーキンググループ報告
WGA、杉本
8/13, 8/20の2回、WG-A電話会議が開催された。
8/13には、A. Herve (CERN)が大きなshaft(直径18m)一つのみの実験ホールデザインを報告した。shaftは実験ホール中心部の側室に作られ、実験AとBの2つの測定器の設置に使用される。ここで、一つのshaftでは2つの実験・測定器、特にそのメインテナンス、大修理時(ソレノイドの修理等)に不平等(asymmetric)になることが指摘された。また、加速器用の直径9mのshaftは以前と同じように一つある。 続いて、杉本が,GLDのQD0直後、すなわちIPより8.9mでの『(push-pull時)切断』そして、電磁力によるendcap変形の検討結果を報告した。これは前回のminutesに説明されている。ここで、QF1直後の切断位置の10.5mが近すぎるとの指摘があった。
添付の末次氏のまとめたエクセルファイルをみると、QF1直後の切断位置は12.25mである。これはpush-pullようでL*=3.5-4.5mで共通値である。L*=3.5mの非push-pull用の場合、これは11.3mである。
8/20には、杉本によるGLDc更新、M.BreidenbachによるSiDでの電気,水などの量、A. Herveによる2つの大きなshaftをもつ実験ホールデザイン、そして、J.AmannによるPlatform更新の報告があった。
GLDc更新:現在、10.5m位置で切断可能なビーム光学設計がないので、QD0直後の切断の場合を当面検討する。Push-pull時にPacman-B取り除きのために仮定していたクレーンの使用をそれを回転することにより回避出来ることを示した。Pacmanの鉄製円筒部分に働く電磁力を計算し、そのCとDではその向きが逆であるが、全電磁力は測定器に引き寄せられることを示した。endcapを2つに半割することによる測定ギャップは、endcap calorimeterの半割をend-yokeのものからずらしてなくすことが出来る可能性を指摘した。 Homeworkとして、QD0をendcapでサポートした場合、Pacmanの設計、実験ホールの幅の検討を行うことになった。
- Q : endcap部分のギャップの大きさはどれくらいか。
- A : 5cm程度である。
- C : full simulationによる実証が必要である。
- Q : 実験ホールの大きさはいくらか。
- A : クレーンの使用可能範囲として±12mのために、31mの幅が必要とされている。実験ホールの断面は円状である。Pacmanの設置にモバイルクレーンを使用するともう少し狭く出来る。
- Q : 実験ホール等CF予算はホスト国負担となっているか。
- A : CFの中で、土木工事、高電圧供給ラインなどサイト依存のものである。(RDRでは、その予算額は1.83 Billion ILC Value Unitsである。)一般に、その部分がサイト国負担となるとされている。最近、アメリカは総予算を3つのregionで等分したいことを表明しているようだ。
- Q : ソレノイドの漏れ磁場に対する加速器からの許容値はいくらか。
- A : 8/15のWG-D電話会議でビームライン上の許容値の報告がAndreiよりなされている。それによると;
- Time scale; max integrated field: ( Tentative )
- 300ns; < 0.5 Gs*m
- 0.03ms to 1ms ; < 5 Gs*m
- 0.2 s; < 50 Gs*m
- up to 10 hrs; < 50 Gs*m
ここで、300nsはバンチ間隔、0.03msはintra-train feedbackの有効時間、0.2sは繰り返し時間、10hrsはcoupling調整のための時間である。
WGB、土屋
真空システムの初案が報告された。 今朝、BNLのB.Parkerより冷却システムの案が送られてきた(まだ、検討していない)。測定器ソレノイドと最終収束システムの冷却システムの統合的な検討が必要と思われる。したがって、IRENG07ワークショップで各測定器コンセプトグループからのそれらの説明を期待したい。
- C : 測定器のソレノイドの説明はそれぞれのDODにある。それらを参照してほしい。
WGC、榎本
WGC電話会議で、実験ホールに火災時の避難路の確保が必要であることを報告した。この避難路は実験ホールに隣接される側室通路により確保されることが指摘された。また、WGA同様に一つの大きなshaftの実験ホールの報告があった。
Home works in WG-A、杉本
QD0を測定器endcap部分でサポートすること、それによる実験ホールの幅縮小の可能性の検討の宿題が出た。
検討の結果、QD0のサポートは可能である。ただし、この場合、endcapは2つに分割出来なくなる。また、サポートチューブ(VTX, ビームパイプ、QD0などが設置されている)固定のまま、endcapを開閉するときの方法が難しいと思われる。SiDではそれ用の延長用レールを設置することになっているが、これをどのように設置するのか不明である。
QD0のendcapでサポートする場合、実験ホールの幅は23mである。また、QD0をplatformからサポートする場合も再検討して同じ実験ホール幅が可能であることがわかった。この同じ幅の大きさはTPCの取り出しに同じスペースを確保する必要があるためである。
- Q : これらの検討は何を目標として行われているのか。SiD用のものに合わせるように要求されているのではないか。
- A : 実験ホールの大きさを細小にすることが第一目的となっている。SiDが最少のものを提示しているのでそれが可能であるかが検討対象となっている。
- Q : このほか実験ホールの幅をきめているのはクレーンのガーダー用のサポートのスペースがある。これがかなりのスペースを取ることになっている。
- A : 実験ホール側面にスリットを設けることも議論された。実験ホールの大きな空間を確保する構造的強度を損なうためスリットの追加は無理とのことである。
バックグランド、阿部
WGD電話会議と電子メール交換により情報を収集している。また、指摘されたシンクロトロン放射光のシミュレーションについての問い合わせをBELLEグループの田島氏に行った。原子核励起 (L-shell, K-shellの効果) などの過程はGEANT4にすでに取り入れられていることがわかった。
- C/Q : これまでに以下の2点の検討が指摘されている。
- サポートチューブはタングステン円筒でできている。GLDでのその厚さは10cmとされている。この厚さの最適化が必要である。シミュレーションで、endcap-CAL, muon chamberそしてTPCでのバックグランドヒットをこの厚さの関数で計算してほしい。
- 今のextraction beam lineでは、ビームダンプがIPから直接覗けるようになっている。この場合CCD-VTXでのneutronバックグランドが許容値を越えてしまう。最近、杉本が新しいビームダンプ形状の提案を行っているので、それによる評価を行ってほしい。
- A : 了解した。