Speaker
Dr
Dai Tomono
(postdoc)
Description
福島第一原子力発電所の事故により福島の土壌に堆積した放射性物質(Cs-134,
Cs-137)の分布の可視化、定量化は除染作業を効率的に進める上で重要な課題となっている。京大宇宙線研究室では宇宙MeVガンマ線観測用に開発されている電子飛跡型コンプトンカメラ(ETCC)を応用し、環境中の放射線物質からのガンマ線測定を行った。
ETCCでは他のコンプトンカメラと大きく異なり散乱電子を捉えることでカメラ同様PSF(Point Spread
Function)が定義できる。これは視野内で近接領域から漏れこむイベントを定量的に評価できることを意味しており、環境中の面的に広がった放射性物質の定量的可視化には不可欠な要素であることが分かった。今回、この結果を踏まえ、福島県の高線量地域での原理実証実験の解析で課題となっていたバックグラウンドの評価手法の改善を行い、ガンマ線の定量的可視化を行った。昨年度までに装置の詳細は報告したので、今回の発表ではバックグラウンドの評価方法、定量化解析の経過と結果を報告し、環境用ETCCの有用性に関して総括する。
Primary author
Dr
Dai Tomono
(postdoc)