第12回 MPGD研究会
from
Friday 4 December 2015 (05:45)
to
Saturday 5 December 2015 (17:00)
Monday 30 November 2015
¶
Tuesday 1 December 2015
¶
Wednesday 2 December 2015
¶
Thursday 3 December 2015
¶
Friday 4 December 2015
¶
13:30
Welcome
-
徹 高橋
(
広島大学
)
Welcome
徹 高橋
(
広島大学
)
13:30 - 13:45
Room: 401N講義室
13:45
ガンマ線イメージングと応用
-
Atsushi Takada
(
Kyoto University
)
ガンマ線イメージングと応用
Atsushi Takada
(
Kyoto University
)
13:45 - 14:15
Room: 401N講義室
14:15
海外のMPGD開発の動向、及びMPGD2015報告
-
Atsuhiko Ochi
(
Kobe University (JP)
)
海外のMPGD開発の動向、及びMPGD2015報告
Atsuhiko Ochi
(
Kobe University (JP)
)
14:15 - 14:45
Room: 401N講義室
14:45
Break
Break
14:45 - 15:15
Room: 401N講義室
15:15
ATLAS NSWに向けたMicroMEGASの開発
-
Noriko Nagasaka
(
Kobe University (JP)
)
ATLAS NSWに向けたMicroMEGASの開発
Noriko Nagasaka
(
Kobe University (JP)
)
15:15 - 15:35
Room: 401N講義室
LHC-ATLAS実験では、2019~2020年のアップグレードで、測定器のエンドキャップのミューオン検出器にMicroMEGASが導入される.このアップグレードに向け、MicroMEGASの放電抑制のために、電極に高抵抗物質を用いた開発を行なっている.その開発状況と中性子耐性試験の結果を報告する.また、Tracking試験で得た、検出効率、位置分解能についても報告する.
15:35
LHC-ATLASアップグレードに向けたMicromegas検出器のAgeing試験
-
Tomohiro Yamazaki
(
University of Tokyo (JP)
)
LHC-ATLASアップグレードに向けたMicromegas検出器のAgeing試験
Tomohiro Yamazaki
(
University of Tokyo (JP)
)
15:35 - 15:55
Room: 401N講義室
LHC-ATLAS実験では,2019-20年のアップグレードでMicromegas検出器を用いた新しいミューオン検出器を導入する。Micromegas検出器はそれ以降10年以上の長期間にわたって運用され,高ルミノシティLHCの厳しいバックグラウンド環境においても安定動作が要求される。本講演では,α線,ガンマ線による放射線耐性試験の結果を報告する
15:55
μ-PICを用いたアクティブ標的(MAIKo)のテスト実験結果
-
Tatsuya Furuno
(
Department of Physics, Kyoto University
)
μ-PICを用いたアクティブ標的(MAIKo)のテスト実験結果
Tatsuya Furuno
(
Department of Physics, Kyoto University
)
15:55 - 16:15
Room: 401N講義室
不安定核実験において、前方確度で質量欠損分光法を実現させるために、 京都大学、RCNPによってμ-PICを用いたアクティブ標的(MAIKo)が開発 された。アクティブ標的ではTPCの検出ガスを散乱の標的として用いて、 散乱をTPC内部で観測する。したがって、1 MeV程度の低エネルギーの 反跳粒子を検出することが出来る。 これまでにRCNPにおいて4He, 13Cビームを用いて2度のテスト実験を 行った。本講演では、MAIKo TPCにおけるトラッキングアルゴリズム を紹介し、これを用いた解析結果について報告する。
16:15
μ-PICを用いたアクティブ標的(MAIKo)による4He原子核の光分解反応の測定
-
Motoki MURATA
(
Department of Physics, Kyoto University
)
μ-PICを用いたアクティブ標的(MAIKo)による4He原子核の光分解反応の測定
Motoki MURATA
(
Department of Physics, Kyoto University
)
16:15 - 16:35
Room: 401N講義室
4He原子核の分解閾値近傍における光分解反応は、 宇宙における元素合成の過程のシナリオに関わる反応である。 この反応の測定を遂行するべく、 京都大学、RCNPによって開発されているμ-PICを用いたアクティブ標的 (MAIKo) へ GEMを組み込む改修を行い、 昨年ニュースバル放射光施設において測定を実施した。 測定では、標的となるHeガスを封入したアクティブ標的に準単色のガンマ線ビームを入射させ、 4He原子核の崩壊によって放出される荷電粒子を検出した。 本講演では、MAIKoの改修の内容と取得した測定データの解析状況について述べる。
16:35
Break
Break
16:35 - 17:05
Room: 401N講義室
17:05
Garfield++を用いた短ピッチu-PICの開発
-
Taito TAKEMURA
(
Kyoto University
)
Garfield++を用いた短ピッチu-PICの開発
Taito TAKEMURA
(
Kyoto University
)
17:05 - 17:25
Room: 401N講義室
我々は宇宙MeVガンマ線観測のため、電子飛跡検出型コンプトンカメラETCC(Electron-Tracking Compton Camera)の開発を進めている。現在、ETCCを用いた長期気球実験を計画しており、この実験の目的はAl-26の1.8MeVラインガンマ線の銀河面イメージングをすることで銀河内の物質循環機構を明らかにすることである。 この銀河面イメージングにはガンマ線に対する数度程度のPSF(Point Spread Function)を要求される。ETCCはu-PICを用いたTPCとシンチレータにより構成されており、PSFはTPCによって得られる電子飛跡情報の精度に依存している。そのため、u-PICのピッチを狭くすることで精度の高い電子飛跡が得られ、PSFを向上させることが可能である。 以上のことから、現在ピッチの短いu-PICの開発を進めており、短ピッチにおいてどのような電極構造が望ましいかをGarfield++を用いて評価した。本公演では短ピッチu-PICのシミュレーション評価を述べる。
17:25
電子飛跡検出型コンプトンカメラにおけるTPCトリガーとデッドタイム削減
-
Kei Yoshikawa
(
Kyoto University
)
電子飛跡検出型コンプトンカメラにおけるTPCトリガーとデッドタイム削減
Kei Yoshikawa
(
Kyoto University
)
17:25 - 17:45
Room: 401N講義室
MeV領域でのガンマ線の観測では、超新星爆発における元素合成の仕組みなど未知の現象が分かる。しかし、MeV領域ではコンプトン散乱が優位なため、ガンマ線の到来方向の決定が難しい。そこで次世代型ガンマ線望遠鏡として、電子飛跡検出型コンプトンカメラ(ETCC)の開発を行っている。従来のコンプトンカメラと異なり、TPCで反跳電子の方向も測定することで、到来ガンマ線を再構成することができる。現在のETCCではシンチレータで散乱ガンマ線を測定しトリガーをかけているが、シンチレータの阻止能が高いため、シンチレータだけで鳴っているイベントが多い。そこで、電子飛跡を検出したときにトリガーをかけるように改良を行う。これにより、デッドタイムの削減が見込まれる。TPCトリガーのテストとして、
22
N
a
から放出される511keVのback-to-backなガンマ線を測定した。
17:45
電子飛跡検出型コンプトンカメラによる環境ガンマ線イメージング
-
Dai Tomono
(
postdoc
)
電子飛跡検出型コンプトンカメラによる環境ガンマ線イメージング
Dai Tomono
(
postdoc
)
17:45 - 18:05
Room: 401N講義室
福島第一原子力発電所の事故により福島の土壌に堆積した放射性物質(Cs-134, Cs-137)の分布の可視化、定量化は除染作業を効率的に進める上で重要な課題となっている。京大宇宙線研究室では宇宙MeVガンマ線観測用に開発されている電子飛跡型コンプトンカメラ(ETCC)を応用し、環境中の放射線物質からのガンマ線測定を行った。 ETCCでは他のコンプトンカメラと大きく異なり散乱電子を捉えることでカメラ同様PSF(Point Spread Function)が定義できる。これは視野内で近接領域から漏れこむイベントを定量的に評価できることを意味しており、環境中の面的に広がった放射性物質の定量的可視化には不可欠な要素であることが分かった。今回、この結果を踏まえ、福島県の高線量地域での原理実証実験の解析で課題となっていたバックグラウンドの評価手法の改善を行い、ガンマ線の定量的可視化を行った。昨年度までに装置の詳細は報告したので、今回の発表ではバックグラウンドの評価方法、定量化解析の経過と結果を報告し、環境用ETCCの有用性に関して総括する。
18:30
懇親会
懇親会
18:30 - 20:30
Room: マーメイドカフェ東広島店
Saturday 5 December 2015
¶
09:00
高い電子透過率をもつ GEM 型陽イオンゲート装置を備えた ILC-TPC 検出器モジュールの開発
-
Katsumasa IKEMATSU
(
Saga Univ.
)
高い電子透過率をもつ GEM 型陽イオンゲート装置を備えた ILC-TPC 検出器モジュールの開発
Katsumasa IKEMATSU
(
Saga Univ.
)
09:00 - 09:20
Room: 401N講義室
国際リニアコライダー (ILC) 実験の中央飛跡検出器として、International Large Detector (ILD) コンセプトグループでは MPGD を用いたタイム・プロジェクション・チェンバー (TPC) を採用し、研究開発を行っている。 ILC の衝突バックグラウンド環境を考慮すると、TPC 端部検出器の電子増幅部で発生する陽イオンのドリフト領域への滲み出しは大きな電場非均一性をもたらす。そのことを原因とする再構成トラックの歪みについて、MPGD の備える陽イオンフィードバック抑制機能およびソフトウェアによるオフライン補正を用いても要求される性能を達成することは困難であり、陽イオンゲートの装備が望まれる。この場合、ILC のビーム構造から、陽イオン塊は 1 cm 厚のディスク状に滞留するので、陽イオンゲート装置は電子増幅部からカソード側 1 cm の位置に配置されれば良い。そこで我々は陽イオンゲート装置と端部読み出し部が一体となった TPC 検出器モジュールの検討を進めてきた。 しかしながら、従来型のワイヤーを用いた陽イオンゲート装置をモジュール内に組み込むには、ワイヤーテンションを保持するための構造が必要となり、不感領域を増大させてしまう問題があった。そこで我々は、ガス電子増幅器 (GEM) を電子増幅器としてではなく、GEM 電極間の電位差 10 V 程度の低電圧モードで動作するイオンフィルターとして用いることに注目してきた。本講演では、高い電子透過率をもつ GEM 型陽イオンゲート装置を組み込んだ ILC 実験用 TPC 端部検出器モジュールの開発について報告を行う。
09:20
LHC-ALICE実験TPC高度化の為の研究開発と量産準備状況
-
Kohei Terasaki
(
Center for Nuclear Study, University of Tokyo
)
LHC-ALICE実験TPC高度化の為の研究開発と量産準備状況
Kohei Terasaki
(
Center for Nuclear Study, University of Tokyo
)
09:20 - 09:40
Room: 401N講義室
現在LHC-ALICE実験に用いられているTPCは読み出し部にMWPCを採用しており、Gating Gridを用いてドリフト領域に流れ込むイオン(Ion Back Flow: IBF)を抑制しているが、同時にデータ収集レートが制限されている。 2021年より始まるRUN3では
50
kHz
の重イオン衝突が予定されており、データの連続読み出しを行うためにGEMを用いたTPC高度化の準備が現在進行中である。 本講演では、これまでに行われたTPC高度化に向けたMPGDの研究開発とGEM-TPCの量産準備状況を報告する。
09:40
1相型液体キセノンTPCによる暗黒物質検出器の開発
-
洋之 関谷
(
ICRR
)
1相型液体キセノンTPCによる暗黒物質検出器の開発
洋之 関谷
(
ICRR
)
09:40 - 10:00
Room: 401N講義室
1相型液体キセノンシンチレータを用いた暗黒物質探索実験XMASSの高感度化を目指し、TPCに改造するR&Dを行っている。現在液体中にGEMを浸し、液中で電荷増幅による比例蛍光を発生できないかの検証実験を行っており、その経過報告を行う。
10:00
Scalable Readout System を利用した GEM-TPC X線偏光計の開発および性能評価
-
Takao Kitaguchi
(
Hiroshima University
)
Scalable Readout System を利用した GEM-TPC X線偏光計の開発および性能評価
Takao Kitaguchi
(
Hiroshima University
)
10:00 - 10:20
Room: 401N講義室
我々は天体からのX線の直線偏光を 2020 年代に観測することを目指し、 NASA/GSFC と共同で PRAXyS 衛星計画を推進しており、衛星に搭載できる GEM-TPC 偏光計を、米国で製作してきた。 それと並行して、偏光計の性能をより迅速かつ柔軟にテストするために、 衛星への搭載基準 (重量、耐震、ガスの寿命など) は満たさないが、装置の キーデバイスは同一のものを使い、同等の変調因子が期待できるX線偏光計を、 国内で製作した。 X線はガスと光電効果を起こしやすく、光電子を生じる。その射出方向は、 入射X線の電気ベクトル方向に偏るため、光電子の飛跡を撮像し、その射出 方向の分布を調べることで、X線の偏光の強さおよび向きを測定できる。 そこで我々は、21 cm角の立方体チェンバーの中に、マイクロパターンガス 検出器をインストールして、その中を 190 Torr のジメチルエーテルで 満たした。X線をチェンバー内に入れて発生した光電子の飛跡を、 GEM で増幅し、1次元のストリップ電極で読み出して、TPC 技術で撮像した。 電荷を収集するストリップ電極は、121 um ピッチで 128 ch であり、 それらから電荷を既定周期で連続して読み出すために、 CERN/RD51が開発および販売している、APV25 ASICチップ、ADCカード、 およびフロントエンドカードから成るScalable Readout Systemを利用した。 さらにデータ取得と同時に偏光測定結果を表示できる DAQ ソフトウェアも 自作した。 製作した国産偏光計を、シンクロトロン放射光施設SPring-8のビームライン BL32B2を用いて、詳細な性能評価を行った。X線エネルギーは、4.5 から 7.5 keVまでスキャンし、さらに各エネルギーで偏光感度の位置依存性および 角度依存性を調べた。 得られた光軸中心近くの変調因子は、4.5 keV で約 40% で、入射X線 エネルギーを上がると 50% まで増加した。 まだビーム照射位置を変えてドリフト距離を短くすると、電子拡散が小さく なるため、変調因子は 10%/cm ほど増加した。 これらの測定結果により、国産偏光計は、衛星搭載用のものと同程度の 偏光感度を持つことがわかった。
10:20
PRAXyS衛星搭載に向けたGEM増幅率の一様性の測定
-
Megu Kubota
(
Student
)
PRAXyS衛星搭載に向けたGEM増幅率の一様性の測定
Megu Kubota
(
Student
)
10:20 - 10:40
Room: 401N講義室
我々は、NASAの小型衛星ミッションである PRAXyS (Polarimeter for Relativistic Astrophysical X-ray Sources) 衛星搭載に向けて光電効果を利用した偏光計の開発を進めている。入射X線は偏光計内部のガスとの相互作用により、X線の電気ベクトル(偏光)方向に依存した方向に光電子を放出する。光電子は周囲のガスを電離して2次電子を生成し、飛跡上に残った電子雲を我々はTime Projection Chamber 技術を用いて2次元イメージとして撮像する。こうして得られた飛跡イメージから光電子の放出方向を求め、その角度分布から入射X線の偏光方向および偏光度を特定する。しかし、電子雲の電子数は6 keVで230個程度であるため、このままでは信号として読み出すことができない。そこで、我々の偏光計には電子雲の形を崩さずに電子を増幅させるために、GEMを利用している。偏光計で使用するGEMは厚さ100 µmで、絶縁体としてLiquid Crystal Polimer (LCP) を使用している。 偏光計で使用するGEMの試験において、ArCO2 (70%/30%) ガス中で、200 umに絞ったX線をGEMに垂直に照射した場合、エネルギー分解能は約16%だが、有感領域の全面に照射した場合では、分解能が40%を超えるものが存在しており、この原因は増幅率の場所依存性によるものと考えられていた。そこで、増幅率の2次元スキャンを行った結果、エネルギー分解能と増幅率のばらつきとの間に相関があることが明らかになった。さらに、別途に行ったLCPの厚み測定から、増幅率とLCPの厚みに強い負の相関があることが確認できた。これらの結果からエネルギー分解能はLCPの厚みのばらつきによって決まっていることを初めて明らかにすることができた。また、厚み測定の結果から厚みのばらつきはランダムではなく、LCPの圧延方向に沿って帯状に分布していることがわかった。本公演では、 GEMの増幅率の場所依存性と絶縁体の厚み測定の結果を示すとともに、GEMの品質を向上させるための製造プロセスを提案する。
10:40
Break
Break
10:40 - 11:10
Room: 401N講義室
11:10
MPGD開発の現状(仮題)
-
晃行 岡田
(
浜松ホトニクス
)
MPGD開発の現状(仮題)
晃行 岡田
(
浜松ホトニクス
)
11:10 - 11:30
Room: 401N講義室
11:30
テフロンGEM
-
Shoji Uno
(
KEK
)
テフロンGEM
Shoji Uno
(
KEK
)
11:30 - 11:50
Room: 401N講義室
放電しても壊れないGEMを開発している。50um厚のフレキシブルテフロン基板を利用したGEM(100mmx100mm)を 作成して、テストした結果を報告する。
11:50
特許文献による導電性高分子コーティング(V)/REGEMに向けてー レーザ加工 ー
-
Seiichi Nakamura
(
高エネルギー加速器研究機構
)
特許文献による導電性高分子コーティング(V)/REGEMに向けてー レーザ加工 ー
Seiichi Nakamura
(
高エネルギー加速器研究機構
)
11:50 - 12:10
Room: 401N講義室
12:10
Lunch
Lunch
12:10 - 13:20
Room: 401N講義室
13:20
炭素スパッタを用いたResistive GEMの開発
-
Satoru Yamauchi
(
Kobe University (JP)
)
炭素スパッタを用いたResistive GEMの開発
Satoru Yamauchi
(
Kobe University (JP)
)
13:20 - 13:40
Room: 401N講義室
GEMの電極には一般的に金属を用いているが、スパッタリング技術による炭素薄膜を電極としたResistive GEMを開発した。GEMは放電に対してもろく壊れてしまうことがあるという難点があるが、高抵抗物質を電極として用いることでGEMに放電耐性をもたせられることが期待される。本講演では、RIソースを用いた試験による増幅率、エネルギー分解能の評価、中性子ビーム照射試験による放電耐性の評価について報告する。
13:40
炭素スパッタによる高抵抗電極を用いたμ-PICの開発
-
Fumiya Yamane
(
Kobe Univ.
)
炭素スパッタによる高抵抗電極を用いたμ-PICの開発
Fumiya Yamane
(
Kobe Univ.
)
13:40 - 14:00
Room: 401N講義室
通常型μ-PICでは高い動作電圧における放電は避けられないが、陰極に高抵抗素材を用いることで放電を効果的に抑制できる。本講演では、高抵抗素材として新たにスパッタリングによる炭素薄膜を用いたμ-PICの開発状況と、動作試験の結果について報告する。
14:00
SF6ガスを用いたμ-PICの基礎研究
-
Tomonori Ikeda
(
Kobe University
)
SF6ガスを用いたμ-PICの基礎研究
Tomonori Ikeda
(
Kobe University
)
14:00 - 14:20
Room: 401N講義室
14:20
セラミックスを用いたGEMフォイルの開発
-
Kazuki Komiya
(
Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute
)
セラミックスを用いたGEMフォイルの開発
Kazuki Komiya
(
Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute
)
14:20 - 14:40
Room: 401N講義室
GEMフォイルは通常、絶縁層にプラスチックフィルムを用いている。このため、使用中に放電がたびたび起こると、炭化導電路が形成され電極間の短絡を引き起こすことが知られている。 そこで、絶縁層にセラミックスを用いたGEMフォイルを今回開発した。このGEMフォイルはフォトリソグラフィー技術を用いず簡単な工程で製造される。また、耐トラッキング特性に優れ、放電による電極間の短絡がない。 発表では、このGEMフォイルについて増幅率等測定した特性を紹介する。
14:40
GEMと針葉樹型カーボンナノ構造体を用いたX線発生装置の開発
-
和樹 西田
(
東京理科大学
)
GEMと針葉樹型カーボンナノ構造体を用いたX線発生装置の開発
和樹 西田
(
東京理科大学
)
14:40 - 15:00
Room: 401N講義室
我々はGEMと針葉樹型カーボンナノ構造体 (Coniferous Carbon Nano Structure;CCNS)を組み合わせてコンパクトな変調型X線発生装置(Modulated X-ray Source;MXS)を開発した。これはMPGDとはいえないが、MPGDデバイスのひとつの応用として開発状況を紹介する。 X線発生装置は科学や工業など様々な分野で利 用される。一般的にX線は電子を加速し、ターゲット金属にぶつけることで発生させられる。X線発生装置の電子源としては熱電子を利用 するフィラメントがよく用いられてきた。近年、カーボンナノチューブ(CNT)など、電子電界放出を利用した電子源も使われている。 我々はCCNSを電子源として用いている。CCNSはCNT、カーボンナノウォール、カーボンナノダイヤモンドなどのナノメートルオーダーの炭素構造体が 複合的に針葉樹状を形成している。CNT単体に比べて根本が太いため、静電気力やイオンの衝突などで破損しにくい。CCNSを
10
kV/cm以上の電場中におくと電子電界放出によって電子を放出する。このCCNSにGEMを被せて電子引き出しのゲートとする。GEMは厚さが
100
μm以下と薄いので、GEMに~
100
Vの電圧を加えるだけで、CCNSから電子が引き出される。引き出した電子をターゲット金属に電場によって加速してぶつけることで、特性X線と制動放射を 得る。このとき、GEMに印加する~
100
Vのゲート電圧を
1
μs未満でON/OFFすると、それに同期して高速でX線の発生をON/OFFできる。MXSはX線発生の瞬間(GEMに印加する電圧)をトリガーとして つかえるので、Time Projection Chamber など様々な実験装置の較正に利用できる。 実際にMXSをTiをターゲット金属として製作し、動作実証を行った。その結果、期待したとおりに~
100
Vの印加でX線を発生させることができた。X線フラックスは
100
Vの印加で
5.5
×
10
7
count/s/srであった。CCNSから引き出される電子量(X線フラックスに直結する)は、印加電圧の二乗に比例して増 加し、
300
Vの印加では最大で
140
μAの電流がCCNSから引き出された。また、MOS-FETをつかった簡単なハーフブリッジ回路によって
600
nsの幅のゲート電圧をGEMに印加することで、それに同期したX線を発生させることに成功した。本講演では、実際に製作したMXSでのX線フラックス、タイミング特性、安定性を示し、今後の開発予定や応用について提案する。
15:00
Concluding Remarks
-
Toru Tanimori
(
Kyoto University
)
Concluding Remarks
Toru Tanimori
(
Kyoto University
)
15:00 - 15:20
Room: 401N講義室